ストリング 2010-05-14
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ジョージ・オーウェルはイギリスの名門校の出身であるが、出身は良く言っても中流階級であり、日々の生活において尋常でないコンプレックスに苛まれていたという。
彼が感じたのは「平等な社会は決して存在しない」ということである。それは祖国であるイギリスも、また植民地支配下にあるインドにおいても同じであるということであった。
しかし、第二次世界大戦の前夜である1936年のスペイン内戦に赴いた彼は、マルクス主義の一派である義勇隊「POUM」とともに反ファシズムとして戦い、彼らの思想である共産主義に対して深い共感を覚えたのである。当時の彼らは皆、全ての人間が平等であることを願ってやまないし、事実そうした理念のもとに行動していたのである。
ところが、その後に力をつけたソビエト共産党が権力を振るうようになり、次第に平等の理念が崩壊するのを目の当たりにし、彼は共産主義を表面を社会主義で飾ったファシズムであると痛烈に感じるようになったのである。
「動物農場」はまさにそうした筆者の境遇から書かれたものであり、登場する動物たちが当時のファシズムにおける支配者と被支配者であることは一目瞭然である。平等という理念を共産主義によって追求した結果がもたらす矛盾を、彼はあえてわかりやすい寓話というかたちで多くの人に知らしめることを欲したのである。
では、なぜ彼はそうした実体験から極めて感情的に、情緒的にこの物語を書かねばならなかったのだろうか。ジョージ・オーウェルという人物を理解することなくして、本書の真の意図を感ずることはできないだろう(以上の内容はほとんど巻末の解説に含まれているので、ぜひ読まれることをお勧めする)。