itgaki 2009-09-05
4 人中 3人 の方がこのレビューが参考になったと投票しています。
入試数学から数学教育全般に提言をしている筆者が、長年入試数学に携わってきた経験をベースに、入試数学を作成するにあたっての作成者の立場、そして学習指導要領に対しての意見を通じ数学教育について述べています。
数学の問題については、教育の観点からは融合問題や証明の道筋をしっかり追うような問題が良いとされていますが、大学入試という大学の経営の視点からは機械式に採点ができるマークシート形式が採用されることが多いですね。
筆者は、マークシートの裏ワザを披露することによって、数学的に論拠を積み重ねなくても問題を解くことができ、さらには数学的な理解がされていなくても大学に入学できてしまう可能性を示唆しています。
ちなみに正解番号がA〜Bで6割〜7割占めるという統計的な事実も面白いですね。
また、学習指導要領による、数学的には無意味な出題範囲指定により、現場の問題作成者がどれだけ頭を悩ませているか、マスコミの数学への無理解ぶりなどみも触れられ、「解く方も大変だけど、作る方もなかなか大変だなぁ」などと思いました。
インドの大学数学入試問題も例にでていますが、そのような問題を選択して掲載しているとはいえ、さすがに技術立国を目指すインドの問題でもあるなぁ、と感心しましたし、面白く感じました。
ちなみに、個人的には、紹介されたマークシートの裏ワザは、ここまでのことを考えて答えを出せる人は、実は数学のできる人のような気がしますが、いかがでしょうか。
受験生の方々は、敵方(?)も苦労しているということで、少しリラックスできる一冊になるのでは?