るるやま・かおる 2009-02-22
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吉田拓郎を主人公にした実名小説。拓郎のアマチュア時代を、バンド活動を中心に描いている。
日本の新しい音楽と文化を切り開いた人物の下積み的な時代(ビートルズでいえばハンブルク時代)を克明に描いた点で非常に価値のある作品だろうと思う。
ただ、著者に作家としての力量が不足しているために、小説として完成度が低い(あまり面白くない)。拓郎を主人公に置かねば成り立たない作品なのだから、ノンフィクションにしたほうがよかったのではないかと思えるのだが、それも難しかったのだろう。稀有な音楽的な才能(&キャラクター)を鍛えたものが何であったのかが知りたかったが、もう一つ伝わってこなかった。
そんなことを思いながらも、自分のなかにある「吉田拓郎」というキャラクター(イメージ)が、分厚い本を最後まで読ませる。続編を読んでみたいとも思う。「吉田拓郎」を中心に置いた70年代前半の音楽シーンについて書かれた物語をぜひ読んでみたい。