小僧 2009-05-05
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数年鳥インフルエンザが騒がれていた頃、いったい何がそれほど脅威なのかいまいち実感できていなかった。最近の豚インフルエンザからの新型インフルエンザの誕生とパンデミックの脅威をめぐる報道をきっかけに、手にとって見たのがこの二冊。
NHK「最強ウイルス」プロジェクトによる『最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖』(NHK出版、2008)は2008年1月に放送されたNHKスペシャルの内容を加筆・修正して出版されたもの。すでにインドネシアでは鳥インフルエンザの新型インフルエンザ化が間近に迫っていた。一体2006年のインドネシアで何か起こっていたのか?WHOや現地インドネシアの医療関係者らの戦いの様子が非常に緊迫感を持って再現されている。さすがNHKスペシャルというべきだろうか。また、世界各国が進めているパンデミック対策も興味深い。本書を読むと日本の対策がいかに進んでいないかに危惧を抱かざるを得なくなる。
一方、外岡立人『新型インフルエンザ・クライシス』(岩波ブックレット、2006)は小樽市保健所長を務め、ホームページ「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集」を運営する専門医。ブックレットの限られた紙幅においてよくぞこれほどの多くの情報を系統だててしかも分かりやすくまとめたものだと思う。そもそも「新型インフルエンザ」とは何か?近年の鳥インフルエンザH5N1の何が脅威なのか?対策をどうするか?といったことを手早くつかむことができる。インフルエンザは決してちょっと重い風邪の類ではない。きちんと脅威を認識して対策を講じることの重要性を痛感させられる。
今回の新型は強毒性ではないようだが、H5N1から変化した新型インフルのパンデミック化の脅威は確実に迫ってきている。決して今回の件を一過性の一事件で終わらせてはならず国際的に協調して対策を講じていく必要があることが認識させられる。新型インフルの恐ろしさがこの上なく認識できる格好の入門書。