辰巳 2008-01-30
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最近増えている「うつ病」は、うつ病なのかそうではないのか……
そういう議論は多い。私はその議論そのものにあまり意味を感じないのだが、
いずれにしてもこの本は、いわゆる「軽症うつ」向きの本ではない。
ある意味で「狂気」とも言える行動に走ることもあるうつ病――
軽症うつを「本物のうつ」ではないと言った人もいるが、その論法でいうと
「本物のうつ」について、やや過激なタッチで、時に露悪的に書かれている。
要するに「心の風邪などもってのほか。うつ病は死に至る病だ」というわけである。
その通りだとは思う。しかしうつ病には実にさまざまなパターンがある。
気分障害とうつ病の境界線をはっきり引ける人が、果たしているだろうか。
取り上げられる事例も過激である。
統合失調症ではないかと思える「妄想性うつ病」など、かなり「怖い」話ばかりだ。
たしかに、あまりに気軽に「今日ちょっとうつでねえ」などと言われ始めて、
本書で書かれているような、うつ病の一面の真実がかすんでいることは否定しない。
その意味ではサブタイトルの「まだ語られていない真実」は、偽りはない。
だが帯にある「うつ病にまつわるウソを暴く!」はどうだろう?
「今日ちょっとうつで……」という人も、何らかの「うつ的病理」を抱えていないか。
甘えもあるかもしれないが、「それはウソだ」と切って捨てるのは、
あまりに「優しさ」がないのではないか。
たしかにある一面の「本当のこと」はわかる本だ。
しかしなぜか読後感が悪い……。☆3つ半、といったところか。