sasabon 2009-07-25
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大阪生まれの作家・若一光司氏が大阪各地にある地名に関心を寄せて現地を訪れ、その由来を51項目に分けて記したものです。おおよそ4から5ページで一つの地名の由来がまとめてあり、写真、地図、交通路、周辺ガイドもあり、観光や散策のお供にも好適でしょう。
筆者の思い出やエピソードも至る所に散りばめられています。亡くなられたお父さんの好きだった大阪城の話、難波宮跡公演で「投網」をして本署に連行された話、中之島の大阪市役所近くの芝生でたびたび野宿した話、箕面公園にて十数匹のサルに包囲されてポッキーをばらまいて逃げた話、など魅力的で面白い話が盛り込まれていますので、読んでいて飽きません。
若一光司さんは、テレビでもお馴染みの作家ですから、このあたりが読者を喜ばせるためのサービス精神の表れなのでしょう。生駒ビルヂングを画学生だった高校生の頃にスケッチに訪れたという意外な一面も書かれています。
天王寺七坂の口縄坂など久しく訪れていない景色を見ると本書を片手に無性に訪れたくなりました。そんな効用もあるようです。
章をご覧いただくと内容が分かるようになりますので順に記載します。
「難波」から「大坂」 そして「大阪」へ、大阪の四季のにぎわいを訪ねて、大阪の食道楽も市場のおかげ、商都の歴史を伝える問屋街、時代のメロディーで口ずさまれた大阪、「八百八橋」の多くが町橋だった、大阪の近代化を象徴する洋風建築、大阪市内の熊野街道を歩く、あの人の墓碑を訪ねて寺めぐり、交野ケ原に刻まれた七夕伝説の謎、文学に描かれた大阪の人と風土、となっています。