poco-mom 2010-03-07
8 人中 8人 の方がこのレビューが参考になったと投票しています。
レビューを書かれたみなさんの評価が非常に悪いので、なんだか読みたくなり手にとってみました。
出だしは、文章もいいし、意表をつく失恋およびファンタジー感があって好感をもって読んでいたのですが、
「おかん」という語彙が出現するあたりから失墜。まず、せっかくのファンタジー感がこの言葉で、ダウンタウンの
松本を思いおこさせて興ざめてしまいました。もっと言葉のもつイメージを大切にして欲しかったです。たったこの
1つの単語で流れを切ってしまいましたし、言葉に対して雑な人かなあと思わせてしまいました。
この小説のもつ摩訶不思議さから言って「おかん」よりむしろ「ママン」が最適だと思えるのですが。
料理にかんしては「ざくろカレー」という創作料理のほかは、非常に凡庸な料理の羅列で、もしかしたら、作者は
あまり料理に詳しくない人なのではと考えさせられました。特にフルーツサンドをつくる箇所は、窯からでて半日以上
たたないパンでサンドイッチを作るのは考えられない・・・水分が含まれすぎていてべちゃべちゃのサンドイッチが
できてしまう、ので、通常は前日のパンでつくるのがもっともおいしいサンドを作るこつなのですが・・・。
この小説は料理に対しての思いいれがテーマのひとつであるのだから、料理に関してはきちんとした知識が必要だったの
ではないでしょうか。
さて、他のかたのレビューでも問題になったペットとしていつくしんでいた豚のエルメスを結婚披露の饗応として
殺して料理する話ですが、やはりグロテスクだとわたくしも思いました。
この小説の主人公りんごの「おかん」が癌におかされて余命いくばくもなく、初恋の人と結婚式をあげるから
ペットのエルメスを食べる。そうすることで、天国でペットのエルメスが天国に先にいき「おかん」を待っていて
くれる。いくらなんでも無理があるこじつけではないでしょうか。
作者はペットを屠殺 して食べてしまう。という思いつきに酔ってしまい、あるいはグッドアイディアと思いこみ、
どうしても挿入したかったのではないでしょうか?そのために逝ってしまう「おかん」のためと正当化したのではと
思われます。しかしそれは先にのべたようにグロテスクです。
この作者はペット、たとえば、犬とかを飼われたことがあるのでしょうか?
なついて意思のコミュニケーションも少しはとれるペットを、食糧事情が悪いわけでもなく、
また、ゆくゆくは食べるために飼育したわけでもないのに屠殺して解体する。これはやはり理解しがたい。
この小説が、完全なファンタジーや川上ひろみさんのような異界とのあわいの話ならばすんなり溶け込む
のですがね。
犬に等しいような飼い方をした大きな豚を逆さにして丸太に四肢をしばりぶらさげて意識があるのに首を切りつける。
なんだか皮膚がざわざわとしてとても嫌な箇所でした。
そして最後の話がなんとも後味が悪い。死んでいる野鳥を調理して食べてしまう。こういうセンスがどうしても
理解できませんでした。
作者の意図するところがわからない。非常に中途半端な作品といえます。