yukkiebeer 2005-08-02
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「月世界旅行」(1902年)から「キル・ビルVol.1」(2003年)まで、1001本の「死ぬまでに観たい映画」を年代順に並べて見所を解説した大部の書。アメリカで出版されたものの翻訳ですが、日本におけるDVDの版元情報が付加してあります。寄稿者は大学教授、映画評論家、映画祭主催者、ライターなど60人近くにのぼります。
選ばれた1001本は意外にオーソドックス。私が最近アメリカ製DVDで楽しんだアルゼンチン映画「Nueve Reinas(2000)」が入っているのは嬉しい驚きでしたが、興行的成功を収めた欧米映画が多いので、未見なまでもその題名は耳にしたことがあるという作品がほとんどです。私が本格的に映画館通いを始めた1970年代後半から現在に至る作品で本書に掲載されているものはその大半が、映画館、テレビ、ビデオ、DVDなどで見たことのあるものでした。
とはいえ、隠れた名作に出会うあてがはずれたという否定的な感想はありません。寄せられた原稿は大変質の高いもので、映画史における位置づけ、社会構造論からの解析、製作裏話など、短いながらも興味のつきない内容が多く、飽きることがありません。「ゾンビ」をアメリカの行き過ぎた消費中心主義に対する批判のメッセージとして論じた文章は読み応えがあります。
良書であるだけに、今後の改訂を期待していくつか誤りを指摘しておきます。
「カラスの飼育」:「カラスを育てると目をついばまれるぞ!」というスペインの諺を「おそらく『身から出た錆』に相当する」としていますが、実際は「飼い犬に手を噛まれる」という意味です。
「JFK」:ジャック・レノンではなくレモンです。
「オープン・ユア・アイズ」:監督名はアメナバールではなくアメナーバル。