サワカヤマウス 2006-03-14
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序文には「自然に関する本はいずれ改訂されるさだめにある。それは、今も続く新種や新事実の発見と、絶滅の危惧による」という内容がある。
この図鑑には、序文のとおり、実に新しい情報と、失われゆく種の情報が、あたりまえのことのように掲載されている。「XXってこういう生き物なんだ」という平和的な動物情報をしっかりと載せることだけでは満足せず、「DNAの分析によって進化や分類の考え方が変わった」ことや、「この5年間で激減したカメの、現在世界中で行われている保護活動」を、具体的に教えてくれる。鳥類の分類方法なんかも、じつに新しい。既存の資料をまとめ直すだけでは、決して作れなかった図鑑だとわかる。
さらに、ジョン・グールドを思わせる、緻密で美しいイラストと、絶妙の瞬間を狙った写真も盛りだくさん。2000点以上掲載されているらしい。幸福に瞳を潤ませるパイソンが、悟り顔のネズミをいざ飲み込まんとする瞬間の写真などは絶妙で、こういった画像だけでも高額の価値が充分ある。
文章も、翻訳モノ図鑑にありがちな不自然さがなく、読みやすい。
いいものはいい、と実感できる動物図鑑。私は、広辞苑の隣に据えている。