一読書人 2005-02-16
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本書は、某大型書店の本店で、法律のコーナーの都市政策・地域政策の棚に置かれていたが、これだけで、大阪流の「つかみ」としては十分である。
大阪のおばちゃんの特徴を示す豊富で身近な実例が笑いを誘い、そこらで見かける大阪のおばちゃんの等身大の実像を描き出すことに成功している。ただ、その背景の分析が平面的なものに止まっていることは残念である。
大阪出身でもある評者が考えるに、ここで描き出されたおばちゃん像の背景には、大阪人が共通して有している人生観・人間観が存在している。すなわち、東京人と比べた大阪人の人生観・人間観の特徴は、「生きていくことは悲しいモンや」ということであり、どんな栄華や地位を極めた人でも、一皮剥けば同じ悲しい人間やないかということであると思う。
ここから、カッコつけたり背伸びしたりせずにホンネで生きていくんやという姿勢や、敗者や弱者に自分を重ね合わせての限りない共感(阪神タイガースのファン心理が典型)、理よりも情を優先させる行動原理、泣く間があったら笑わんかいの精神などが生まれてくる。
そして、その反面として、向上心や公共精神の欠如というマイナス面を生み出していることも事実である。
東京から大阪に帰ると、心からホッとするし、電車に乗っていても温もりや親しみを感じる。でも、こうしたぬるま湯に浸かったままだと、
自分の新たな発展可能性を開拓できないまま終わるのだろうとの気持ちが湧き上がってくることも否定できない。
日頃抱き続けてきた大阪へのこんな思いを、改めて自分なりに見つめ直す機会となった、結構オモロイ一冊であった。