スティーヴ 2009-01-21
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タイトル通り温暖化をめぐる国際的な取り組みを冷静に批評した内容です。
温暖化によるデメリットだけでなくメリットにも光を当てたもので、きちん
としたデータをもとにかなり公正に議論しているように思えます。もちろん
気象学以外にも経済を始め様々な角度から検証しているので(ここが足りない
著者は結構多い。自分の専門だけ)温暖化についてある程度の知識を持った後
で読むと新しい視点を与えてくれる本でしょう。最初に読む本ではない。
例えば温暖化による熱波で死ぬ人の数と寒さから解放されて生き長らえる
人の数の比較などはあまりなかったように思います。また「温暖化が悪いことを
引き起こすという議論に慣れすぎている」というのも確かに言えてます。ただ、
マラリアが本当に2050年に撲滅されるかは疑問ですけどね。とにかく温暖化は
雨の分布がそう変わらない範囲内であれば利益をもたらすということが気象
学者の間でも言われていることから本書の議論は正しいのだろうと思います。
温暖化は長期変化なので京都議定書の効力もずっと先のことでしかも全く
割に合わないものである。アメリカが参加しても1ドルにつき34セントしか
戻ってこない。こうしたことに労力を使うくらいなら飢餓や貧困や他のもっと
切迫した、しかも費用に対して効果の上がることに使うべき。貧困や伝染病
などを解決しておけば国の地盤がしっかりし、何事か起こった時の耐久度
がぐっと上がる。
この本の主張は(一部ですが)こうしたものです。定価2000円と他の本に
比べると若干高価かも知れませんが、それだけの価値はある本です。本書に
も書かれている通り、同じだけ金を使うなら価値のあるものに使いましょう。